あえてお花を贈る理由。〈花を贈るという行為の意味〉
- 2019.08.30
- 花贈り
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花贈り。源氏物語の時代から今も続く花贈りの習慣の理由。
花贈り。
結婚式で花嫁花婿が、両親へ渡す花束。
卒業式で、卒業生に贈られる花束。
表彰式で、受賞者に贈られる花束。
愛の告白で、男性から女性に贈られる花束。
子どもの頃から、なんとなく、とっても特別な日に、大きな花束を見ることが多かったように思います。
日本で〈花を贈る〉という行為がなされたのは、源氏物語が始めだったと言われています。
(言わずもがな、愛の告白に花を贈るということが、高貴な人々の間であったよう。)
そこから、一般の平民が花を贈るということはなかなか浸透はせずとも、平安時代には少しずつ広がっていったようです。
道端に咲いている花を摘んで、娘が私に渡してくれた日。
娘がまだ2歳のころでしたでしょうか。
私がまだ、花の仕事に就いておらず、必死に子育てしていた時期。
保育園に通っていたので、もしかしたら先生が、外に散歩に連れて行ってくれて、娘に花を渡してくれたのかもしれないし、私が公園で遊んでいるときに、花で遊んでいたのかもしれないです。
教えた覚えがないのに、道に咲いていた花を摘んで、私に渡してくれた時、なんだか感動した記憶があります。
綺麗なバラではない、もしかしたら名前さえついていない花を渡してくれたその行為が、なんだかとってもほっこりした記憶があります。
(その日は、コップに水を入れて、花を挿して夕食を囲みました。ごはんが美味しく感じた。)
便利なもの・可愛いものが溢れているこの時代にあえて花を贈る意味。
おしゃれなもの・可愛いもの
便利なもの・実用的なもの
そんなものが溢れている時代に、花を贈る意味・理由。
上を向いて凛と立つ生命力・可憐な姿・自然から生まれた鮮やかな色・繊細な触感。
そんなパワーや可憐さ・あるいは儚さに、人は魅了されているのだと思います。
それ自体は、何かの役に立つとか、実用的・機能的なものは何もない。
ただ、そこにあるだけで多くの人が心を動かされる。
便利な世の中になれど、そんなものが他にあるでしょうか。
経済的な価値では測れない〈人の気持ち〉。
高価だとか、便利だとか、新機種だからとか、そういった経済的な価値では測れない〈花〉に人の想いを込めることにこそ、伝わる気持ちがあるのではないでしょうか。
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